埋没深度が深く、地表面からの水平磁気探査では不発弾の検出が困難な場合、鉛直磁気探査を実施します。鉛直磁気探査は、探査孔(通常はボーリング孔)の中に磁気センサを入れて鉛直方向に磁気探査を行う手法です。
探査孔は不発弾の探査が必要な範囲を全てをカバーするように配置し、探査が必要な深度まで削孔します。削孔終了後、磁気センサを用いて孔内測定を行い、時期異常記録を解析して埋没深度や磁気量等を求めます。
探査孔の削孔にはロータリー式ボーリング機を通常用いますが、土質が砂層等でN値が低い場合は、ウォータージェット方式で行う場合もあります。
また鉛直磁気探査は、ボーリング孔内で連続的に磁気測定を行うことから、磁気検層と呼ばれることもあります。
磁気探査用ステンレスロッド・ビット(非磁性のため、磁気探査の支障とならない)を使用して、削孔径46mmにて所定の深度まで削孔します。日本物理探鑛の鉛直磁気探査用の両コイル型磁気傾度計は外径φ25mmで、ステンレスロッド内に挿入することができます。
そのため、削孔~探査までのロスが無く、高い作業性を有しています。
また、削孔中に不発弾に接触するのを防ぐため、1m削孔ごと(大型爆弾の場合)にステンレスロッド内に磁気傾度計を挿入し、孔底の安全を確認しながら所定の深度まで削孔します。
ウォータージェット方式による削孔状況。磁気探査用アルミパイプにて削孔します。
ウォータージェット方式による削孔状況。磁気探査用アルミパイプにて削孔します。
センサ昇降機をボーリングロッドに取付け、両コイル型磁気傾度計を探査孔内で一定速度で移動させます。センサケーブルには深度読み取り用のメタルテープが1m間隔で取り付けられており、センサ昇降機に内蔵されている深度読み取り用センサーを通過すると信号が出力されるようになっています。これにより、より精確な磁気量・埋没深度を求めることができます。
磁気センサからの信号とセンサ昇降機からの信号を専用のデータ処理システムに取り込み、ディスプレイに表示させます。データの良否を確認後、本体内のハードディスクに保存します。
過去に発見された焼夷弾磁気記録
過去に発見された焼夷弾磁気記録