物理探査手法 - 重力探査
重力探査
■ 重力探査とは
重力探査の物理学的な基本原理は万有引力の法則で、地下を構成する土や岩の密度差を利用して地下構造を調査する方法です。
重力探査は、広域の地下構造を安価・迅速に調査するための概査法として、主に堆積盆地の広がりや堆積層の層厚、地質構造の概要を知るために用いられてきました。
また、広域的な地下深部の構造調査においては、屈折法・反射法地震探査、深部ボーリングなどが用地的・経済的理由で十分な調査密度で行えない場合に、補完データとして重力探査結果を利用することにより、3次元的な地下構造モデルを作成することができます。
■ 重力探査の解析法
地表で測定された重力値に対し、観測点の緯度・標高、周辺の地形などの影響を補正し、地下の密度分布に起因する重力異常(ブーゲー異常)を求めます。この重力異常データから解析対象としている深度に対応する成分を抽出するためにフィルタ処理などを施した後、3次元構造解析を行って地下の密度構造モデルを求めます。
活断層を調査対象として実施した重力探査の解析例を示します。
重力図(ブーゲー異常図)
仮定密度を21g/cm3として得られた重力異常(ブーゲー異常)。
コンター間隔は2.5mGal。黒線は推定断層位置を示す。
重力基盤標高図
表層と基盤の密度差を0.5g/cm3として均質2層モデルによる
3次元構造解析を行って得られた重力基盤の標高。
コンター間隔は100m。