地下水調査 - 熱量法地下水流向流速測定
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熱量法地下水流向流速測定
■ 測定装置
弊社で用いている熱量法地下水流向流速計(GFD-3)について説明します。
この装置はセンサ、ケーブル、ロッド、中継ボックス、パソコンから構成されています。
パッカーリング間(スポンジフィルタとストレーナーに覆われた区間)には、センサ中心部に加熱用ヒーター、センサ外周部に16個の温度センサが同心円状に配置されています。
測定状態に入るとセンサ内部のヒーターが加熱します。地下水の流れがない場合にはすべての温度センサが一様に温度上昇します。しかし、地下水に流れがある場合、加熱されたセンサと地下水に温度差があるため、16個の温度センサは地下水の流れてくる方向ほど低い温度を示すことになります。
各センサの温度分布状況から、地下水の流向と流速が求められます。
測定装置一式
■ 現場における測定手順
(1) 地下水位の測定
水位計を降ろし、地下水位を測定します。地下水位のデータは流向・流速を考える上で重要なデータになります。
地下水位測定状況
(2) 地下水の通り道(帯水層)を把握する
次に水質の変化に着目しながら、水質計をゆっくり降ろしていきます。地下水の流入がある地点では地下水の水温や電気伝導率が変化します。その深度を把握しておきます。
水質測定状況
(3) 測定準備
センサ、ケーブル、中継ボックス、パソコンを接続します。センサの方角を北にあわせ、できるだけ地下水を攪乱させないようにロッドを継ぎ足しつつ、測定対象深度区間までセンサをゆっくり降ろします。また、測定機器を接続してセンサの温度をパソコン上で確認し、センサの水温が地下水の水温に近づくまで待機します。
センサ挿入状況
(4) 測定開始~終了
センサの温度が安定したら、ヒーターを作動させ、記録を開始します。地下水の流れが安定したときの流向、流速を測定します。
測定にかかる時間は条件等によりますが、(1)地下水位の測定から(4)測定開始~終了までで約2時間30分を要します。そのうち、(4)測定開始~終了、流向流速の測定時間は、条件等によりますが、約1時間30分を要します。
観測状況
■ 測定できる井戸の条件
- 井戸内径50mm~100mm、150mm、200mm。
- 測定深度60m以内、(孔曲がりおよび測定孔内で上下方向の流れが無いこと)
- ストレーナ開孔率10%以上(30%以上奨励)