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物理探査手法 - 電気探査-高周波交流電気探査

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電気探査-高周波交流電気探査

■ 水道管路の老朽化と更新

日本では1955~73年(昭和30~48年)頃の高度経済成長期に多くの水道管路が敷設され、水道普及率が飛躍的に伸びました。そのため、水道管の法定耐用年数(40年)を超えた水道管路の割合が年々上昇しています。しかし、水道管路の更新が進んでいないことから老朽化が進行しており、水道管路の老朽化が原因とみられる漏水・破損事故が増加傾向にあります。今後、急増する耐用年数超過水道管路すべてを更新するには長期間かかることが想定されており、事故を防止して水道水を安定供給するために、老朽化の進んだ管路から計画的に更新することが望まれています。

水道管路にはダクタイル鋳鉄管が多用されており、この種の水道管路の老朽化は腐食または経年劣化により進行します。水道管路の腐食性には周辺土壌や地下水の環境が大きく係わっています。従来行われてきた水道管路の外面腐食診断は管体腐食調査と土壌分析からなり、実際に掘削して水道管路を露出させる必要があることから、多大な労力と費用がかかっています。

ダクタイル鋳鉄管に対する土壌の腐食性評価では、土壌比抵抗の影響が大きく、土壌比抵抗が低いほど腐食性が高いとされています。高周波交流電気探査は、非破壊で地盤の比抵抗分布を調べることができる技術であり、効率的かつ経済的に周辺土壌の腐食性を把握して、水道管路更新の計画策定に活用することができます。

■ 高周波交流電気探査とは

水道管周辺の土壌調査を目的とした高周波交流電気探査は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が開発した技術※であり、20kHz程度の交流信号を用いることにより、アスファルト舗装路面上でも非破壊で地盤の比抵抗分布を調べることができます。
 探査装置は送信器と送信ダイポール電極、受振器と受信ダイポール電極から構成されています。電極としてローラー状のPVA(ポリビニルアルコール)超吸水スポンジを使用することにより、通電能力と可動性の向上を図っています。送信器と受信器はGPS信号により同期させ、直交同期検波を用いた信号検出により微小電位差の高精度測定、耐ノイズ性の向上を実現しています。
 測定はダイポール・ダイポール電極配置で行います。送信ダイポール、受信ダイポールはそれぞれ一対の電極からなっており、その間隔を一定に保ったまま、送信ダイポールと受信ダイポールとの間の距離を一定間隔に変えながら抵抗値(=測定電位差/送信電流)を繰り返し測定します。

高周波交流電気探査の測定概要図
高周波交流電気探査の測定概要図

送信ダイポール電極、受信ダイポール電極の間隔aを一定として、送信ダイポールと受信ダイポールとの間の距離n aのnを1.0, 1.5, 2.0,・・・と大きくしながら、受信ダイポールの移動と電位差測定を繰り返す。nを電極隔離係数という。

高周波交流電気探査の測定状況
高周波交流電気探査の測定状況

手前側が送信器と送信ダイポール電極、遠方側が受振器と受信ダイポール電極である。

産業技術総合研究所(特許第3837546号、特許第6501128号)

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