地下水調査 - テレビ法地下水流向流速測定
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テレビ法地下水流向流速測定
■ 測定装置
弊社で用いているテレビ法地下水流向流速計について説明します。
この装置はゾンデ(CCDカメラ内蔵)、ケーブル、測定器(モニタ内蔵)、データレコーダから構成されています。
ゾンデ中央部にCCDカメラが内蔵され、水中の様子がモニタに表示されます。ゾンデ底部にはジャイロが内蔵されているので、これによって磁北がわかります。モニタに表示される浮遊微細物質(土壌粒子など)の移動距離、移動時間、移動速度および移動方向から流向、流速が求まります。
結果は瞬時にモニタ上に表示されます。またその映像をビデオデッキ等のデータレコーダに記録することにより、後から再測定することができます。
測定装置一式
■ 現場における測定手順
(1) 地下水位の測定
水位計を降ろし、地下水位を測定します。地下水位のデータは流向・流速を考える上で重要なデータになります。
地下水位測定状況
(2) 地下水の通り道(帯水層)を把握する
次に水質の変化に着目しながら、水質計をゆっくり降ろしていきます。地下水の流入がある地点では地下水の水温や電気伝導率が変化します。その深度を把握しておきます。
水質測定状況
(3) 測定準備
ゾンデと計測器、データレコーダ、電源を接続します。できるだけ地下水を攪乱させないように注意しながら、測定対象深度区間まで、ゾンデをゆっくり降ろします。目標深度に達したら、動かないようにケーブルを固定し、モニタに表示される方位を北に合わせます。
ゾンデ挿入状況
(4) 測定開始
モニタを観察し、浮遊微細物質の流れが安定するまで待機します。流れが安定したら、モニタ上において付属のライトペンで、移動する浮遊微細物質の始点と終点をタッチしてあげます。その移動距離(2点間の距離)、時間から流速が求まり、方向から流向が求まります。結果は瞬時にモニタ上に表示されます。
この作業を10回以上繰り返し、平均値を地下水の流向、流速とします。
映像をビデオデッキ等のデータレコーダに記録します。これは後から流向・流速の再測定ができるだけでなく、測定記録の証拠となります。
(1)~(4)までの作業を行うと、条件等によりますが、約3時間を要します。そのうち、流向流速の測定時間は、条件等によりますが、約2時間を要します。
観測状況
■ 測定できる井戸の条件
- 井戸内径40mm以上。塩ビ管の場合、VP=40以上。
- 測定深度100m以下
- ストレーナ開孔率10%以上(30%以上奨励)